2026年7月24日、自分用に作り始めたSEO支援ツール「YUJI AI SEO Suite」がWordPress.orgの審査を通過し、その後、公式SVNへバージョン7.1.7を登録して一般公開まで完了しました。
最初から世界へ公開する製品を作ろうとしていたわけではありません。自分のWordPressサイトで起きていたSEO表示の違和感を、AIに分析させて改善できないかと考えたことが出発点でした。

この記事の要点
- 自分のサイトのSEO問題を解決するために作ったツールが原点
- 要件と設計、最終判断は自分で行い、コード実装と修正はAIが大きく担当
- ChatGPTとClaude Codeを併用して開発を高速化
- 初回提出と2回目の提出で修正要請を受け、3回目の提出で承認
- 承認後はSVNへ7.1.7を登録し、リリース確認を経て公式ページへ反映
- Gitは開発、SVNはWordPress.org公開という役割分担で運用
- 公式掲載は安全性の完全保証ではなく、継続的な保守のスタート
出発点は、自分のサイトのSEO表示への違和感
きっかけは、自分のサイトを検索したときの表示でした。記事タイトルよりもサイト名ばかりが目立つなど、WordPress上の設定と実際の検索結果がどうつながっているのか、分かりにくい状態がありました。
そこで、既存のSEOプラグインへ設定を入れるだけではなく、次のような確認をAIに手伝わせたいと考えました。
- SEOタイトルと実際の公開HTMLが整合しているか
- メタディスクリプションが適切に設定・出力されているか
- 構造化データが内容と合っているか
- 既存テーマやSEOプラグインと競合していないか
- 改善候補をAIで作り、確認後に必要な項目だけ反映できないか

必要な機能を一つずつ追加し、実際のサイトで使いながら直していくうちに、単なる試作品ではなく、日常的に使えるプラグインになっていきました。
「そこそこの出来なら登録してみよう」で、難しさが変わった
自分のサイトだけで使うのであれば、環境も目的も分かっています。多少分かりにくい部分があっても、自分で補いながら使えます。
しかし、WordPress.orgで第三者へ配布するとなると話が変わります。セキュリティ、権限管理、GPL、ソースコードの公開性、翻訳、外部API、プライバシー、説明責任など、自分用では見落としやすい観点が一気に増えました。
自分の環境で動くことと、第三者へ安全に配布できることは、別の完成度だった。
想像していたよりハードルは高かったですが、審査側が具体的に問題を示してくれるため、すべてを自分だけで探すよりも修正はかなり速く進みました。
3回目の提出で承認された
体感としては「またダメだった」という感じでしたが、正確には2回とも申請の却下ではなく、審査保留と修正要請です。指摘へ対応して再提出し、3回目の提出で承認されました。

| 提出 | 主な確認・対応内容 | 結果 |
|---|---|---|
| 初回提出 | 対象範囲、機能制限の見え方、nonceと権限、OpenAI利用の説明、翻訳運用、編集可能なソースなどを再確認 | 修正要請 |
| 2回目 | 生成済みJavaScriptと編集用ソースの対応関係、リクエスト検証をさらに修正 | 追加指摘 |
| 3回目 | v7.1.7を提出し、Plugin CheckとWP_DEBUG環境でも再確認 | 2026年7月24日承認 |
なお、公式審査を通過したからといって、不具合やセキュリティ問題が絶対に存在しないと保証されたわけではありません。公開後もガイドラインへの適合、更新、修正を続ける責任があります。
承認されても、自動で公開されるわけではなかった
初めて申請した私には、審査を通過すれば、そのままWordPress.orgのプラグインページへZIPファイルが掲載されるようなイメージがありました。しかし、実際には承認は「公式ディレクトリへ登録する権限が与えられた段階」です。
承認後、WordPress.org側に専用のSVNリポジトリが用意されました。そこへ公開用ファイルを登録してcommitし、さらに届いたリリース確認メールから公開を確定して、初めて利用者が取得できる正式なプラグインとして反映されました。審査通過と公開完了の間に、SVN登録とリリース確認という作業があったわけです。

SVNへバージョン7.1.7を登録した
今回の正式公開では、開発済みのバージョン7.1.7をWordPress.orgのSVNへ登録しました。主に扱った場所は、次の3つです。
| ディレクトリ | 役割 | 今回の対応 |
|---|---|---|
trunk/ |
最新コードとリリース元 | 審査を通過した7.1.7のコードとreadmeを配置 |
tags/7.1.7/ |
利用者へ配布する安定版 | trunkから7.1.7のリリースタグを作成 |
assets/ |
WordPress.org上で表示する画像類 | バナーやスクリーンショットなどを管理する場所として確認 |
ファイルを配置した後は、SVN上の追加・変更内容を確認し、必要なファイルを登録対象にしてからcommitしました。新しいタグが検出されるとリリース確認メールが届き、案内された画面でリリースを確定しました。その後、WordPress.org側で処理され、公式プラグインページに名称、説明、バージョン、インストール情報などが表示される状態になりました。
審査通過は終点ではなく、公式SVNへ正しいリリースを登録し、リリース確認を終えて初めて公開が完了する。
GitとSVNは役割が違う
今回特に分かりにくかったのが、普段の開発で使うGitと、WordPress.org公開用のSVNが別管理になっている点です。
| 仕組み | 主な用途 | このプロジェクトでの扱い |
|---|---|---|
| Git | 開発履歴、ブランチ、修正、バックアップ、共同作業 | 普段の開発と正式版を作るまでの履歴管理 |
| SVN | WordPress.org公式ディレクトリへの配布 | 完成したコードをtrunkへ反映し、tagsに安定版を作って公開 |
Gitリポジトリへcommitやpushをしても、WordPress.orgの公開版は更新されません。今後も、まずGit側で開発と確認を終え、その完成版だけをWordPress.orgのSVNへ反映する運用にします。
公式プラグインページが公開された
SVNへの登録後、YUJI AI SEO Suiteの公式ページがWordPress.org上で表示されました。これにより、利用者は公式ページから内容を確認でき、WordPress管理画面のプラグイン追加画面からも検索・インストールできる公開形態になりました。
YUJI AI SEO SuiteのWordPress.org公式ページを確認する
ページが存在するだけではなく、SVNに登録したリリース内容とreadme、バージョン情報が正しく結び付くことが重要です。今回、そこまで確認できて、ようやく一連の公開作業が完了したと実感しました。
次回以降のアップデート手順
初回はSVNの仕組みそのものを理解する必要があり、かなり手間に感じました。ただし、専用リポジトリと作業環境はすでに用意できたため、次回以降は毎回ゼロから設定する必要はありません。
- Git側で新バージョンを開発・テストする
- プラグイン本体とreadmeのバージョン番号、Stable Tagを合わせる
- 完成したコードをSVNの
trunk/へ反映する trunk/から新しいバージョンのtags/を作成する- SVNの追加・変更・削除を確認する
- SVNへcommitする
- 届いたリリース確認メールの案内から公開を確定する
- WordPress.org公式ページと更新通知への反映を確認する
つまり、普段はGitだけで開発し、公開するときだけSVNを使う形です。開発途中のファイルをSVNへ直接持ち込まず、リリースできる状態になったものだけを登録する方針にします。
コードの作り込みと修正は、ほぼAIで進めた
この開発では、ChatGPTとClaude Codeを併用しました。私が担当したのは、解決したい問題、必要な機能、影響させたくない範囲、安全方針、審査指摘をどう解釈するかといった設計・判断です。
PHPやJavaScriptの実装、同種の問題をコード全体から探す作業、修正、テスト手順の作成、readmeの整備などは、AIが大きく担いました。

今回の作業では、重要な局面でChatGPTのほうが意図や審査内容を正確に理解した回答を返してきたように感じました。ただし、これはタスクやタイミングによる可能性があり、ChatGPTとClaude Codeのどちらが常に上という話ではありません。
確かなのは、AIを使わずに自分だけでコードを読み、修正箇所を探し、テストを繰り返していたら、ここまでの速度では進まなかったということです。
YUJI AI SEO Suiteでできること
YUJI AI SEO Suiteは、対象となる公開コンテンツについて、確認可能なSEO候補を作り、内容を見てから必要な項目だけ適用するためのプラグインです。保存済み本文、タイトル/H1、URL、デザインを勝手に全面書き換えする設計ではありません。

- SEOタイトル、メタディスクリプション、SNS向け情報などの候補生成
- 候補を確認して選択した項目だけを適用
- タグ、関連記事、文脈に沿った内部リンク、アイキャッチ画像ALTの支援
- 構造化データと公開HTMLの確認
- 個別最適化と一括処理
- 診断、変更履歴、復元
AI機能を使用するときは、利用者自身のOpenAI APIキーを設定します。API料金はOpenAIとの契約と使用量に応じて利用者へ発生します。また、本プラグインは検索順位やインデックス登録を保証するものではありません。
WordPress.orgとつながれば、それだけでSEOが強くなるのか
WordPress.orgは強いドメインですが、そこへリンクを貼るだけで、自サイトの検索順位が自動的に上がるわけではありません。順位操作だけを目的に不自然なリンクを増やす考え方は避けるべきです。
今回、本当に価値があるのは、公式プラグインページ、WordPress.orgの作者プロフィール、自サイトの開発記事が、同じ開発者の活動として自然につながることです。

第三者が「誰が作ったのか」「なぜ作ったのか」「実際にどこで配布されているか」「どんな経験に基づくのか」を確認できるようになります。これは単なる被リンクよりも、サイト運営者の実在性、経験、公開実績を伝えるうえで意味があります。
インストール方法
- WordPress管理画面で「プラグイン」→「新規プラグインを追加」を開く
- 検索欄に「YUJI AI SEO Suite」と入力
- プラグインをインストールして有効化
- OpenAI接続、SEO公開方法、AI生成条件などを確認して設定
- まず1件のコンテンツで候補生成と適用範囲を確認
正式公開はゴールではなく、保守のスタート
公式ディレクトリへ掲載され、WordPress管理画面から検索・導入できる状態になりました。一方で、WordPress本体の更新、環境差、不具合、セキュリティ、サポートへの対応はこれからも続きます。
まずは実際に使える状態を保ち、過剰な機能追加よりも、安全性、分かりやすさ、既存環境との共存を優先して改善していきます。
よくある質問
AIだけでWordPressプラグインを作ったのですか?
コードの実装と修正はAIが大きく担当しました。一方で、解決する課題、要件、機能範囲、安全設計、最終的な採用判断は人が行っています。
一度の申請で承認されたのですか?
いいえ。初回提出と2回目の提出で修正要請を受け、3回目の提出で承認されました。正式には2回とも却下ではなく、審査保留と修正要請です。
承認されたら自動で公開されますか?
自動では公開されません。承認後に用意されるWordPress.orgのSVNへtrunkとバージョンタグを登録し、commit後に届く案内からリリースを確定する必要があります。
GitへpushすればWordPress.orgも更新されますか?
更新されません。Gitは開発履歴の管理、WordPress.orgのSVNは公式版の配布に使う別の仕組みです。
新バージョンのたびにSVNを最初から設定しますか?
初期設定を毎回やり直す必要はありません。既存のSVN作業環境でtrunkを更新し、そこから新しいtagsを作成してcommitし、リリース確認を行います。
WordPress.orgに掲載されれば安全性が保証されますか?
完全な保証ではありません。審査後も問題が見つかれば修正が必要で、継続してガイドラインに適合させる責任があります。
WordPress.orgからリンクされればSEO順位が上がりますか?
リンクだけで順位が自動的に上がるわけではありません。公式ページ、作者プロフィール、自サイトの記事を自然につなぎ、公開実績と一次情報を確認できる状態にすることが重要です。
プラグインは無料ですか?
WordPress.orgで配布するプラグイン本体は無料です。OpenAI APIを利用する機能では、利用者側にAPI料金が発生します。
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この記事を書いた人
食品製造業の経営と並行しながら、WordPress、業務用Webシステム、サーバー、IoT機器などをAIと組み合わせて開発しています。YUJI AI SEO Suiteも、実際の運用上の課題から生まれました。

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